アサヒコム「国際支援の現場から」に私が寄稿しています。
http://www.asahi.com/international/shien/TKY201006180143.html
■■■朝日新聞 国際支援の現場から■■■
題名:「スポーツメーカーのサプライチェーンとCSR」
リオネル・メッシ、クリスチアーノ・ロナウド、カカ、本田圭佑・・・世界のトップレベルのサッカー選手が南アフリカに集まって始まったワールドカップ。スペクタクルなプレー、芸術的なプレーの数々を目の当たりにして、酔いしれる毎日が始まった。歓喜と興奮の祭典の日々が来月まで続く。
このサッカーの祭典にはたくさんのグローバル企業が協賛している。その中でもひときわ目立つのはやはり大手スポーツメーカーだ。そのドリブルと得点感覚で世界最高の選手との評価もあるリオネル・メッシ(アルゼンチン代表、FW)はアディダス社(addidas)、そのルックスとスピード豊かなプレーで今やスーパースターであるクリスチアーノ・ロナウド(ポルトガル代表、FW)はナイキ社(nike)の企業の広告塔として、TVCMなどに露出している。ユニフォーム、パンツ、ソックス、ジャージ、スパイクを身にまとった姿を見ることも多いだろう。もちろん、大会期間中は商品を身にまとい選手は試合で奮闘する。
さて、こうしたスポーツメーカーの商品を購入する際、君はどこからこの商品がやってきたのかを考えてみたことがあるだろうか?こう問うのには理由がある。これまで、途上国にある有名スポーツメーカーの下請け工場では、様々な問題がおきてきたからだ。
商品がどこで作られ、私たちの手元に届くのか、その過程をサプライチェーンと言う。どこから商品がやってきたのか・・・を辿っていくと、それは途上国の工場に行きつく。そこでは色々な問題が起こっていた(今もどこかでは、起っているのかもしれない)。安い賃金・最低賃金以下で働かされたり、長時間・休憩なしの勤務など厳しい労働条件で働かされたり、衛生・安全面で問題のある職場であったり、厳しい労働条件に反発して労働組合を作ろうとすると解雇されたり、なかには児童労働などもあったりである。職を失うわけにはいかないので労働者は厳しい労働環境でも我慢して受け入れざるを得ない。失業すると暮らしていけない。なぜなら先進国のように社会保障が整っていないからだ。こうした厳しい労働環境で労働者が働かざるを得ない状態を「スウェットショップ」という。
消費者は安く商品を買いたい、スポーツメーカーも安く商品を仕入れたい、下請け工場はコストを抑えたいと行動する。そのしわ寄せは下請け工場の労働者にきてしまうというわけだ。
1990年代、ナイキの関連工場において、「労働者が虐待を受けている」実態が知られるようになり、NGOから「スウェットショップだ」という批判が高まった。
アディダスについても、1998年のワールドカップ・フランス大会での公式試合球「トリコロール」はパキスタンの工場で作られていたのだが、これが10歳未満の子どもたちの手で作らせていたことが発覚して問題になった。
ただし、この2社は、こうした批判に誠実に対応した。改善につとめたのだ。行動規範を策定し、下請け工場の労働監査を行うようになり、今ではそれなりの評価をNGOから受けているほどだ。
背景には近年、「企業の社会的責任」(CSR:Corporate Social Responsibility)という概念が世の中でも広まってきたことが影響している。企業は社会的に批判を受けないように様々な取り組みを始めている。企業としての責任を果たそうと強い問題意識から自分たちのビジネスを再考する企業もある。ブランドイメージを守りたいという側面もあるのだろう。
スポーツメーカーの中には下請け工場の労働条件を監査している企業もあるが、監査を行わなかったり、形だけ入れているという企業もある。ただし、こうした企業に対して安易に批判はできない。消費者が購買行動を変えない限り、安いものを作ろうと企業は動くのは当然だからだ。企業はある条件のもとで、最適な行動をしているにすぎない。大手メーカーにサプライチェーンのどこまで責任があるのか、いったいどこまでが責任の範囲かなどなど、こうした議論は非常に難しい。
こうした中、サプライチェーンの問題を知った上でスポーツメーカーの商品を購入している人は、まだまだこの日本でも多くはないだろう。告白すると、こうして偉そうなことを言っている私自身も以前はそうしたことを知らなかったし、考えて購入などしていなかった。「ベッカムかっこいい」と思って思わず購入していたのだ。自分の消費行為が下請け工場に間接的に影響しているなんて考えもしなかったわけ。しかし、下請け工場の労働者の人権抑圧の加害の一端を間接的ではあるが担ってしまっていたことも事実。
そう考えると、消費者としてのほんの少しの関心とほんの少しの意識が企業を変える鍵ではないかと考える。「消費者として○○せねばならん」などと田中マルクス闘莉王(日本代表、DF)のように熱く主張したり、行動しなくてもいい。遠藤保仁(日本代表、MF)のようにマイペース&クールに、自分が購入しようとする商品の過去に思いをはせればいい。購買する前に、「なぜこの値段なんだろう?」「どのように作られてくるのだろう?」とワールドカップをきっかけに考えてもらいたいと願っている。
文責:CSRチーム・コーディネーター、サルバトーレ西村
*アムネスティ日本・CSRチームは、企業のCSR(社会的責任)についての活動を行っています。
2010年9月30日木曜日
2010年9月14日火曜日
CSRセミナーボランティア大大大募集!
アムネスティ・インターナショナル日本、CSRチームでは毎年、企業のCSRレポートを人権の観点から分析し、その結果を企業担当者向けに発表しています。セミナーはとても好評で毎年90%以上のの満足度を誇っています。今年度もCSR評価セミナーを開催する予定です。このCSR評価セミナーを一緒に企画し、活動する仲間をこのたび、募集いたします!
・CSRについて知りたい、考えたい
・企業のビジネスを多面的に見てみたい
・企業と対話したい
・企業に対して物申したい
・人権について知りたい、考えたい
・ちょこっと社会貢献したい
・国際的なNGOで何かスキルを身につけたい
という方、是非応募ください!
活動はセミナー開催にとどまらず、チーム内で専門家を交えての勉強会やディスカッションなど知識を得たり、思考する機会もたくさんあります。
メンバーからも『多彩なメンバーに囲まれて企業を多角的に見つめる良い機会』(20代・学生)や『自社の社会貢献について見つめなおすいい機会となった』(30代・会社員)、『消費者として企業を見る目が変わった』(50代・主婦)などの声もいただいています。
専門性をつけたい、もしくは本気で企業から社会を変えたいという方、是非一度説明会にいらしてください!
CSRについて知識がまだ少ないかたも大丈夫!過去7年間で培ってきたノウハウを、チームメンバーが丁寧に教えます。企業が人権を踏まえた行動をする、そんな社会を私たちは目指しています。
説明会の日程は以下の通りです。
【日程】
9月25日(土)、午後2時~ アムネスティ東京事務所
10月2日(土)、午後7時~ アムネスティ東京事務所
10月5日(火)、午後7時~ アムネスティ東京事務所
【場所】東京事務所
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=92
【申込方法】
アムネスティCSRチーム:応募担当
aicsrteam@gmail.com
まで以下のフォームでメールを送信ください。
---------------------------------------------
CSRボランティア説明会申込フォーム
お名前( )
ご職業( )
Eメール ( )
説明会希望日【()に○をつけてください】
( )9月25日(土)、午後2時~
( )10月2日(土)、午後7時~
( )10月5日(火)、午後7時~
---------------------------------------------
・CSRについて知りたい、考えたい
・企業のビジネスを多面的に見てみたい
・企業と対話したい
・企業に対して物申したい
・人権について知りたい、考えたい
・ちょこっと社会貢献したい
・国際的なNGOで何かスキルを身につけたい
という方、是非応募ください!
活動はセミナー開催にとどまらず、チーム内で専門家を交えての勉強会やディスカッションなど知識を得たり、思考する機会もたくさんあります。
メンバーからも『多彩なメンバーに囲まれて企業を多角的に見つめる良い機会』(20代・学生)や『自社の社会貢献について見つめなおすいい機会となった』(30代・会社員)、『消費者として企業を見る目が変わった』(50代・主婦)などの声もいただいています。
専門性をつけたい、もしくは本気で企業から社会を変えたいという方、是非一度説明会にいらしてください!
CSRについて知識がまだ少ないかたも大丈夫!過去7年間で培ってきたノウハウを、チームメンバーが丁寧に教えます。企業が人権を踏まえた行動をする、そんな社会を私たちは目指しています。
説明会の日程は以下の通りです。
【日程】
9月25日(土)、午後2時~ アムネスティ東京事務所
10月2日(土)、午後7時~ アムネスティ東京事務所
10月5日(火)、午後7時~ アムネスティ東京事務所
【場所】東京事務所
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=92
【申込方法】
アムネスティCSRチーム:応募担当
aicsrteam@gmail.com
まで以下のフォームでメールを送信ください。
---------------------------------------------
CSRボランティア説明会申込フォーム
お名前( )
ご職業( )
Eメール ( )
説明会希望日【()に○をつけてください】
( )9月25日(土)、午後2時~
( )10月2日(土)、午後7時~
( )10月5日(火)、午後7時~
---------------------------------------------
2010年8月21日土曜日
CSRチームのミッション
みなさんこんばんは。
CSRチームができてから多くの歳月が流れました。CSR評価セミナ-、数々のイベント開催・・・。
それなりに日本のCSRに貢献できたと自負しています。
また、本当に多くの方々に協力いただきました。人権とCSRについての問題意識を共有する輪が広がりました。チームOB会も出来上がるほどです。
しかし、まだまだ課題がある「CSR」。
チームも新しいステージに進むために、今回CSRチームミッションを改めて策定しましたので、公表します。
-------------------------------------------------------------------------------------
■CSRチームのミッション
企業とステークホルダーが意思決定する際の判断基準として人権という理念を組み入れていくよう、対話・協働して活動(情報収集・評価・提案・情報発信)をしていく。
-------------------------------------------------------------------------------------
自分の時間と体力をチームにささげてくれたボランティアメンバーに感謝をこめて
CSRチームができてから多くの歳月が流れました。CSR評価セミナ-、数々のイベント開催・・・。
それなりに日本のCSRに貢献できたと自負しています。
また、本当に多くの方々に協力いただきました。人権とCSRについての問題意識を共有する輪が広がりました。チームOB会も出来上がるほどです。
しかし、まだまだ課題がある「CSR」。
チームも新しいステージに進むために、今回CSRチームミッションを改めて策定しましたので、公表します。
-------------------------------------------------------------------------------------
■CSRチームのミッション
企業とステークホルダーが意思決定する際の判断基準として人権という理念を組み入れていくよう、対話・協働して活動(情報収集・評価・提案・情報発信)をしていく。
-------------------------------------------------------------------------------------
自分の時間と体力をチームにささげてくれたボランティアメンバーに感謝をこめて
CSR評価セミナー2009の質問回答⑧
質問8:
来年度よりISO26000制度の動きが見られますが、現時点で第三者機関による人権への取り組み評価、また消費者に対する普及はなされているのでしょうか。もしくはどの程度されているのでしょうか。工業規格、農業規格が国の規範としてありますが、人権という分野における規格はどういった状況なのでしょうか。
回答:
第三者評価はAA1000(第三者保証)、SA8000(事業者単位)などがあります。それを取ることが責任ではない。規格としてはそれぞれ限界がありますよ。ISO26000は認証基準ですらないです。
来年度よりISO26000制度の動きが見られますが、現時点で第三者機関による人権への取り組み評価、また消費者に対する普及はなされているのでしょうか。もしくはどの程度されているのでしょうか。工業規格、農業規格が国の規範としてありますが、人権という分野における規格はどういった状況なのでしょうか。
回答:
第三者評価はAA1000(第三者保証)、SA8000(事業者単位)などがあります。それを取ることが責任ではない。規格としてはそれぞれ限界がありますよ。ISO26000は認証基準ですらないです。
CSR評価セミナー2009の質問回答⑦
質問7:
企業の担当者はネガティブ情報の記載は規範としての社会的責任だからという動機では進めにくい側面があります。特に人権関係の情報は時としてその開示自体が侵害された人への侵害として働くのではないかと危惧があるのですが、どういった記載が「侵害される」側として求める内容になるのでしょうか?
回答:
レポートに書いたら社内で漏れる可能性があるとうことを考えていらっしゃるのでしょうか?
基本的に、匿名性が担保され、数値などが把握されていればいいと考えます。
企業の担当者はネガティブ情報の記載は規範としての社会的責任だからという動機では進めにくい側面があります。特に人権関係の情報は時としてその開示自体が侵害された人への侵害として働くのではないかと危惧があるのですが、どういった記載が「侵害される」側として求める内容になるのでしょうか?
回答:
レポートに書いたら社内で漏れる可能性があるとうことを考えていらっしゃるのでしょうか?
基本的に、匿名性が担保され、数値などが把握されていればいいと考えます。
CSR評価セミナー2009の質問回答⑥
質問6:
BOPとCSRの関係は良い関係となっているのでしょうか?
回答:
BOPは貧困ビジネスの構造もあるのではないかと思います。
貧困層にすいついて、吸い上げるように思える面もあります。
さらにいますと、貧困層から吸い上げれなかったら公共事業から吸い出す。
こうした面dね危ういと思います。また調味料をつくることによってだしをつくる文化が崩れます。
しかし、いい事例も多いです。
味の素は注目されていて、リジンというアミノ酸、それを添加すると栄養状況が改善。
低栄養の人にリジンを追加すると元気になります。そういうBOPビジネスをやっているのが味の素。
だからビジネスにならない、つまり、ビジネスに成り立つほどに至っていない。
ちなみに、BOPとNGOの関係はよいと思います。。
BOPとCSRの関係は良い関係となっているのでしょうか?
回答:
BOPは貧困ビジネスの構造もあるのではないかと思います。
貧困層にすいついて、吸い上げるように思える面もあります。
さらにいますと、貧困層から吸い上げれなかったら公共事業から吸い出す。
こうした面dね危ういと思います。また調味料をつくることによってだしをつくる文化が崩れます。
しかし、いい事例も多いです。
味の素は注目されていて、リジンというアミノ酸、それを添加すると栄養状況が改善。
低栄養の人にリジンを追加すると元気になります。そういうBOPビジネスをやっているのが味の素。
だからビジネスにならない、つまり、ビジネスに成り立つほどに至っていない。
ちなみに、BOPとNGOの関係はよいと思います。。
CSR評価セミナー2009の質問回答⑤
質問5:
「CSRレポートにグローバルコンパクトのことを明示しただけでは不十分」との説明がありましたが、それはGCは法的拘束力をもたない、自主行動目標である、監視が制度化されていないという理由からでしょうか?
回答:
それだけの理由ではありません。ただし、グローバルコンパクト(GC)の項目を具体的にどう実施しているかがまず明示されていません。GCは監視の色を強めているようです。
「CSRレポートにグローバルコンパクトのことを明示しただけでは不十分」との説明がありましたが、それはGCは法的拘束力をもたない、自主行動目標である、監視が制度化されていないという理由からでしょうか?
回答:
それだけの理由ではありません。ただし、グローバルコンパクト(GC)の項目を具体的にどう実施しているかがまず明示されていません。GCは監視の色を強めているようです。
CSR評価セミナー2009の質問回答④
質問4:
ご説明の中で、報告書の現状と課題をおしゃられておりましたが、現時点では報告書は義務づけられてないのですが、将来的に報告書は義務化すべきですか?
回答:
CSRは自主的にやること、主体的にやることではないでしょうか。ISO26000は義務化ではないですし、強制力がないものです。ガイダンスと言う位置づけでしょう。
ご説明の中で、報告書の現状と課題をおしゃられておりましたが、現時点では報告書は義務づけられてないのですが、将来的に報告書は義務化すべきですか?
回答:
CSRは自主的にやること、主体的にやることではないでしょうか。ISO26000は義務化ではないですし、強制力がないものです。ガイダンスと言う位置づけでしょう。
2010年6月20日日曜日
CSR評価セミナー2009の質問回答③
質問3:ご説明の中で、報告書の現状と課題をおしゃられておりましたが、現時点では報告書は義務づけられてないのですが、将来的に報告書は義務化すべきですか?
回答:CSRとは自主的にやること、主体的にやることではないでしょうか。義務付けする場合、仕組みを作るだけではだめで、運用できるかどうかを考えないと意味がありません。仕組みだけですと形骸化します。日本の行政組織でよくみられるのと同様の現象になってしまいます。ちなみに、ISO26000は義務化ではないですし、強制力がない。ガイダンスと言う位置づけです。
回答:CSRとは自主的にやること、主体的にやることではないでしょうか。義務付けする場合、仕組みを作るだけではだめで、運用できるかどうかを考えないと意味がありません。仕組みだけですと形骸化します。日本の行政組織でよくみられるのと同様の現象になってしまいます。ちなみに、ISO26000は義務化ではないですし、強制力がない。ガイダンスと言う位置づけです。
CSR評価セミナー2009の質問回答②
質問2:報告書にはマイナスのことを書かず、プラスのことばかり書いて企業ブランドの向上を狙ったり、書くことでCSRをしたと満足する企業もいるかと思うますが、そのような企業に報告書の内容を徹底されたり、報告書を出す以上のことをさせるためにはどうすればよいと考えますか?
回答:・CSRに期待しすぎの面もあるのではないでしょうか。CSR報告書を書くのが目的化していないでしょうか。CSRの担当者や管轄する役員の意識が変わらないとだめではないかと思います。そのために社員教育が必要で、そういった取り組みを地道に進め、社内に浸透させていくことです。
回答:・CSRに期待しすぎの面もあるのではないでしょうか。CSR報告書を書くのが目的化していないでしょうか。CSRの担当者や管轄する役員の意識が変わらないとだめではないかと思います。そのために社員教育が必要で、そういった取り組みを地道に進め、社内に浸透させていくことです。
登録:
投稿 (Atom)