~「ボリビアの水戦争」覚え書き、アムネスティ年次報告書から~~~~~~~
非常事態宣言下のコチャバンバ県での人権違反が起こったと報告された。
多数の人が恣意的に拘禁され、人権活動家やジャーナリストが嫌がらせや
脅しを受けた。刑務所および拘禁施設の状況は、残虐な、非人道的な、
または品位を傷つけるものである。
<背景>
2000年4月8日、コチャバンバ県にあるコチャバンバ市の政府水道事業に
反対するデモを機に、非常事態が宣告された。
組合やコミュニティの多くの指導者たちが逮捕され、大多数は外部との
連絡を絶たれた状態で拘禁され、国内追放処分にあった。
抗議行動参加者と部隊との間に衝突が起こり、軍人1人と未成年者1人を
含む5人が死亡したという。
報道管制が敷かれ、地方ラジオ局は強制的に放送の打ち切りを命じられた。
政府が農民団体や労働組合との合意に達した後、4月20日に非常事態は解かれた。
逮捕者は全員起訴されることなく釈放された。
<警察による暴行>
「コチャバンバの水と命を守る調整委員会」が呼びかけた1月と2月の
デモに対し、警察と軍は過剰な力の行使に訴え、治安部隊は催涙ガス、
ゴム弾、散弾を群集に向けて見境なく撃ち込んだ。
4月にも治安部隊はデモの規模に比べて過剰な力を行使したと報告
されている。多数が負傷し、未成年者1人を含む4人が死亡した。
<拷問・虐待>
百人を超える人びとが2月に拘禁され、全員が治安部隊隊員に
よって殴打されたという。
4月、非常事態が宣告された何時間か前に、覆面をした警察官が
組合指導者や「コチャバンバの水と命を守る調整委員会」の
メンバーの自宅を襲撃し、指導者を逮捕、その家族を殴り、
家財を盗み、近隣の人びとに散弾銃を発射した。
未成年者を含む市民がラパス県に拘禁され拷問を受けて、
コミュニティや組合の指導者に罪を負わせるよう強制された。
これらの事件に関する調査は着手されていない。
政府は、未成年者が虐待されたことは否定している。
<表現の自由>
政府に批判的であるとみなされたり、コチャバンバでの当局の
措置を公に批判した数人のジャーナリストや人権活動家が
脅迫、威嚇された。